RJL前半戦を数字で振り返ろう:防衛ラウンド取得率に着目して

目次

1. はじめに

 みなさんこんにちは。ボンゴレドミンゴと申します。RJLを数字でまとめるシリーズ第3回です。ノーセプとかアッシュの話をこれまでしてるのでよかったらご覧ください。

 今回は、先日第6節が終わり、約1か月半のオフシーズンに入ったRJLについて、過去のリーグと比較しながら数字で振り返っていきたいと思います。S.I.の延期もあり、イェーガーやワマイの仕様変更、アルニの登場など、主に防衛側に大きな変更が入ってから初めての大規模なリーグ期間となった今シーズン、過去と比較してどのような変化があったのでしょうか。今回は防衛ラウンド取得率に着目してあーだこーだ言っていきたいと思います。早速見ていきましょう。

2. 昨年からの変化

 まず、攻撃と防衛がそれぞれどれだけラウンドを分け合っているか、ラウンド取得率を見てみましょう。なお、これ以降、APAC North 2020 Stage2(以下、「昨シーズン」と呼ぶ)とRJL2021前半戦(以下、「今シーズン」と呼ぶ)の数字を比較していきます。
出典は俺たちのSiegeGGです。https://siege.gg/

リーグ参加チームが違うので厳密な比較ではないですが、まあご参考までに。マップおよび拠点ごとに防衛ラウンド取得率を並べて比較したものが下表になります。

 全体として防衛ラウンド取得率は微減、という感じ。各マップについて見ていきましょう。

 オレゴンは昨シーズン、セカンドピックの拠点まで防衛側に取得率が寄っており、防衛に有利っぽい雰囲気が出ていました。しかし、今シーズンは地下こそ変わらず防衛偏重であるものの、2階はむしろ攻撃側が多く取得する結果になっています。これは攻め方の主流に変化があったことが要因かもしれません。以前は連通と娯楽の補強壁を割って展開する攻めが主流だったように思いますが、最近では大窓と白階で完結するタイプの攻めも増えており、攻め方の幅が広がって防衛側に対応が求められるようになったことが影響していそうです。

 クラブハウスはどうでしょうか。監視金庫守りがしんどくなっているのが見て取れますね。やはりADSやマグネットといったキャッチャーと呼ばれるガジェットの仕様変更によってガレージが柔らかくなったことが影響していそう。スーリヤゲートで守るのもガレージだと難しそうです。以前はファーストピックとなっていたこの拠点も今やサードピックになることが多く、諸行無常を感じます。

 ヴィラは攻防の取得バランスが一貫して安定していますね。しかし、守り方の中身はちょくちょく変わっている面白いマップだと思います。例えば飛行展示守りであれば、以前は逆棟まで展開してミラ貼ったりして守っていた印象ですが、ここ最近の主流は一歩引いたクラシックホール-赤階段のラインが多いですよね。彫像守りでもキャッチャーの変更でウォークイン守りは現実的ではなくなった印象。拠点そのものは突き上げやハードブリーチに弱いのでその手前で頑張るマップですが、どこで頑張るかが毎シーズン変わるのは興味深いです。

 領事館はかなり趣に変化があったマップだと思います。主流であった2階守りがほぼ選ばれなくなり、代わりに奇襲枠の1地下が多く選ばれるようになっていますね。領事館は拠点の場所に関わらず2階から広く守らざるを得ない気がするので、ラインをより多く敷ける1階や地下が人気になっているのでしょうか。領事館は今シーズン、CAGの庭と化しているので防衛ラウンド取得率の一般化が他より難しいですが、一応、数字の上では、昨シーズンよりは守れるマップになっているようです。

 カフェを見てみましょう。ここも実は一般化が難しいマップで、FAVがかなり取得率を荒らしています。1階の防衛ラウンド取得率が爆上がりしていますね。1階攻めは上から取るのか平面で取るのか、平面なら初手で手荷物取りに行くのかなど、選択肢が多いイメージがあります。従って防衛側の配置をくみ取れれば攻撃側が有利そうに思えるのですが、なぜここまで防衛偏重のパーセンテージになっているのでしょうか。誰か教えてください。

 海岸線です。ペントが良く選ばれるようになりましたね。別にペントが強くなったわけではないと思うので、防衛側からするとバー守りが嫌すぎるという感じでしょうか。ただし、数字的にはバー守りの成功率は昨シーズンよりも大幅に向上しています。バーってフッカーとかの上重視で守るかロビーまで広がる平面重視で守るかの2択があると思うのですが、最近は上守りを見るケースが多い気がします。メタと相性がいいのでしょうか。

 今シーズン姿を消したテーマパークは防衛ラウンド取得率を見ると残念ながら当然という印象を持ちます。防衛強すぎたのでは。また、ニューフェイスの山荘はだんだん強い拠点と弱い拠点が判明してきた気がします。バー娯楽守りの時に図書前廊下でガジェット相殺ゲームしているの、昨シーズンのカフェ3階L字を彷彿とさせますね。ここからまだまだ進化するマップだと思うので楽しみです。

3. まとめ

 2.の冒頭でも述べた通り、チーム構成が違うのと試行回数が違うので単純比較は色々な落とし穴がありますが、思ったよりもキャッチャー系の仕様変更によって被害を受けた拠点は少ないのかなーという印象です。スーリヤゲートが代替案としてハマっていそうですね。ただし、来シーズンはフローレスが解禁されます。盾や防弾系ガジェットがぼこぼこ破壊される様が想像できるため、今シーズンは防衛最後の楽園だったのかもしれません。タチャンカのバフでどこまで耐え凌げるか、S.I.2021後の世界が楽しみです。

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この記事を書いた人

SiegeGamers発起人。
プロチームに3年半ほど所属していたので、その経験や知識を活かして皆さんに分かりやすく記事を書けたらと思っております。

東京デザインテクノロジーセンター専門学校 プロゲーマー専攻講師

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